東洋医学では、健康を体のバランスがとれているか、いないかで判断しています。
バランスが崩れた状態が病気で、臓器の機能が低下し、生命のエネルギーである「気」の流れが悪くなった状態と考えられています。
体内で気が循環する道筋を「経絡(けいらく)」と呼び、そのなかでも特に反応が強い場所が「経穴(けいけつ)」いわゆるツボです。ツボは気の流れが停滞する場所で、ここを刺激し、気の流れをスムーズにすることで、臓器の機能は回復し、体が元気になるのです。
近視などの視力のトラブルも、東洋医学の見地からとらえると、臓器の機能が低下したことで気の流れが停滞していると考えられます。
ツボを刺激することで、その流れがスムーズになり、視力低下の予防や回復に効果があるというわけです。
ここでは、仮性近視や疲れ目に効果があるといわれる5つのツボを紹介します。
眼球はとてもデリケートな部分です。指を清潔にし、眼球を強くこすったり、強く圧迫しないこと。ツボ療法は毎日続けることで効果が現れます。継続することです。
※治療の時間・回数は、疲れない程度に行うのが基本。目安としては、一カ所の治療時間は5~15分、指圧を繰り返す回数は、自分が気持ちよく感じる程度を適度な回数とします。
晴明(せいめい)
位置/目がしらと鼻柱の間にある骨のくぼんだところ。
治療/人差し指の腹で、静かにもむように押します。眼球を押さないように注意しましょう。目の周囲の緊張をとり、スッキリさせる効果があります。
攅竹(さんちく)
位置/左右それぞれの眉毛の内端にあります。
治療/人差し指または中指をあてて、気持ち良く感じる程度の強さで指圧します。目の機能を調整する働きがあり、涙が出やすいときや眼精疲労、お年寄りの視力低下などに効果を発揮。
四白(しはく)
位置/瞳孔の直下の骨(眼窩下孔=がんかかこう)のくぼみ。
治療/指の腹を押し当て、静かに指圧します。
風池(ふうち)
位置/首の後ろの髪の生えぎわで、2本の太い筋肉の両外側をわずかに離れたくぼみ。
治療/ひじを左右に張り出して、両手で頭をかかえるようにして親指でツボを指圧します。首の緊張がほぐれ、目への血流も改善されます。
首の後ろのツボを指圧するときは、ひじを左右に張り出して、両手で頭をかかえるようにして親指でツボを押す。
うなじがこったときは、首の後ろの2本の太い筋肉(僧帽筋=そうぼうきん)をつまむようにしてもむ。
合谷(ごうこく)
位置/手の甲で、人差し指のつけ根(第2中手骨の中点)の外側。
治療/手の甲へ反対の親指を食い込ませて強めに押す。幅広い症状に活用され、すぐれた効果を上げるツボです。とくに鎮静効果が高いことで知られ、なかでも首から上の症状には、効果的。
親指の関節を曲げてしっかりツボに押し当て、指先をクルクル回すようにする。