新しい生活様式下の視力を守る新習慣!
新型コロナウイルスの影響による休校やオンライン授業をきっかけに、子どもたちが自宅でパソコンやタブレット、スマホを長時間使う機会が増加している。大人もテレワークを行なう人が増え、子どもたち同様にますますパソコンなしの生活は考えられない時代になってきている。
こうした影響で、いま、近視が進んでしまっている子どもや、眼精疲労などを訴える大人が増加しているのだ。とくに子どもの場合は、例年であれば、春の学校検眼が行われて視力低下に気付くのだが、その機会を逃し、保護者も見逃しがちになっている。近視は7~11歳で最も進行するため、急激に視力が低下してしまうことになっている。
そこで、オススメしたい超簡単な視力低下予防の方法がある。アメリカなど英語圏を中心に浸透している「the 20/20/20 rule」だ。
この「20-20-20ルール」は、パソコンやタブレット端末、スマホなどのデジタル画面を20分見たら、20秒間20フィート(6メートル)以上離れたものをみて休憩する、というもの。20秒の休憩中に窓の外を見よう。これにより視力低下や眼精疲労などを防げるという。
考案したのはアメリカ・カリフォルニア州の検眼医ジェフリーアンシェルさんで、米国検眼協会と米国眼科学会の両方が眼精疲労を軽減する方法として推奨している。年齢問わずすべての人にすすめている。
キッチンタイマーを活用し、「20-20-20ルール」を習慣化しよう!
目から30センチ以内のものを30分以上見続けると、近視は進行する。連続して見ないことがポイントなる。20分たったら、目を離し、動くこと。立ち上がると、視線は遠くにいき、それだけで目のピントを調節する筋肉「毛様体筋」の緊張がゆるむ。
また、アメリカ眼科学会によると、人間は平均60秒に15回まばたきをする。パソコンや携帯電話を使用している場合、まばたきの割合は平均の3分の1に減少し、眼精疲労につながったり、ドライアイを引き起こす。そう、20秒間6メートル以上離れたものをみて休憩することで、まばたきの回数も正常になる。
パソコンやスマホ操作をしていると、ついつい夢中になり、「20-20-20ルール」を忘れがち。そこで、デスクにキッチンタイマーなどを置けば、20分ごとに休憩を取るのに役立つ。なぜ20秒なのか?目が完全にリラックスするのに約20秒かかるからだ。
目を休めている間は、席を立ってコップ一杯の水分を取り、水分を補給しておくこともおすすめ。 体に水分が含まれていれば、目も健康になる。部屋のなかを歩き回ったりすることで、目のストレスを減らすことにもなる。
屋外で遊ぶ時間が長い子どもほど、近視になりにくい!
子どもの場合、「20-20-20ルール」といっしょにやってもらいたいのが、外で遊ぶこと。最近の研究では、屋外にいる時間が1日2時間の子どもは、近視になる確率が1日に1時間未満の子どもの4分の1であることがわかっている。
また、明るさ1,000ルクス以上の光を週11時間以上浴びた子どもは、近視になりにくいことが分かっている。1,000ルクスは、屋外でなければなかなか達成できない。一般的に屋内では300ルクス程度、窓際でも800ルクス程度。屋外では日陰でも数千ルクスに達する。
普通に学校がある日でも、日光を浴びている時間は1時間程度といわれている。週に11時間、つまり1日2時間弱、日光を浴びるというのはなかなか大変だ。しかし、保護者が、子どもを可能な限り、外に出して遊ばせることを心がけたい。ベランダに出るだけでもいい。木陰でも曇りでも、とにかく日の光を浴びる時間を意識的に増やすようにしよう。
※台湾では法律を改正して、体育の授業を週150分、屋外で行うことを義務づけている。さらに、ほかの授業でも屋外での実施を推奨し「1,000ルクス、1日2時間を目標」に掲げている。
ゲームは大画面で楽しむ。
スマートフォンやタブレットなどでゲームをすると、ついつい画面と目の距離が近くなってしまいがち。近い距離で画面を長時間見続けない、ということは、視力低下を防ぐために非常に重要なポイントになる。
ゲームを楽しむのであれば、離れた距離で大画面テレビで楽しむのもおすすめ。液晶テレビの最適な視聴距離の目安は、画面の高さの約3倍である。もちろん「20-20-20ルール」も忘れずに。
寝る前にテレビやスマートフォンなどから発せられているブルーライトを浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量が低下して、よく眠れなくなってしまう。睡眠は健康な視力を維持するためには大切だ。就寝1時間前には、ブルーライトを出すテレビやスマートフォンの使用を控えるようにしよう。
20-20-20ルールは、あなたの目を守るためのとてもシンプルで効果的な方法だ。 20分、パソコンやスマホを見続けたら、20秒間、6メートル以上離れたものを見る、だけなのだから。