アイライナー、マスカラ、アイシャドウで「ものもらい」に?
まつ毛の内側の粘膜に濃いアイラインを引くのは要注意
「ものもらい」のひとつ「霰粒腫」(さんりゅうしゅ)は、マイボーム腺という皮脂腺が詰まることにより、中に分泌物がたまってしまい、その刺激でまぶたにしこりのような塊ができます。症状としては、まつげの生え際あたりがはれます。痛みはほとんどなく、しこりのような肉芽(にくが)が詰まっているのでゴロゴロします。
このマイボーム腺は、目のまわりのまつ毛の内側に上下60個くらいもある腺です。油を分泌して、涙が蒸発するのを防いでいます。マイボーム腺の開口部が目のふちのところにほぼ一直線に並んでいるのですが、鏡で見ても肉眼で見分けるのはちょっと難しい。油(脂質)を分泌していて、この油がまばたきで涙の表面にひろがり、涙が蒸発するのを防いでくれています。
女性の場合、注意したいのが、メークでもマイボーム腺をふさぎがちなことです。例えば、アイメークの濃い女性は、まつ毛の内側の粘膜に濃いアイラインを引いたりします。実は、この粘膜にある小さい穴こそが、マイボーム腺なのです。アイラインが、マイボーム腺の開口部をふさぐメークになっているんです。アイライナーにかぎらず、マスカラやアイシャドウなども、目の際までつけるとマイボーム腺の機能を侵す原因になります。
毎回、洗顔で丁寧に落とせばよいのですが、問題は落としきれないメークがマイボーム腺の詰まりの原因になること。この腺が詰まると、異物感や不快感の原因になり、さらに感染すれば炎症が起こり、ものもらい「霰粒腫」の原因にもなるのです。
細菌感染によるものではありませんが、時に炎症が起こり急性化膿性霰粒腫へと変化することがあります。急性化膿性霰粒腫の場合は、赤みや痛みや目やになどの症状が起こることもあります。
マイボーム腺が詰まると、涙の表面に蒸発を防ぐための油の膜がきちんとできません。それだけ涙が乾きやすくなり、ドライアイの重要な原因の1つと考えられているのです。
目を温めてマイボーム腺や涙腺の詰まりをとる
このマイボーム腺や涙腺の詰まりをとり、ドライアイや疲れ目軽減の対策としてオススメなのが「目を温める」ことです。「目を温める」ことは、局所の血管拡張。血液やリンパ液の循環促進、細胞の新陳代謝などに作用します。
手軽な方法として、入浴時、タオルを湯に浸して絞り、天井に向けた目に載せて、閉じたまぶたの上から3分ほど、温めるとよいでしょう。マイボーム腺に固まった油は、約40度C(お風呂の温度)で溶けるといわれています。
入浴時以外では、ホットタオルがオススメ。目の上にのせるだけで、簡単にケアができます。
………ホットタオルの作り方………
- タオルを水で濡らして軽くしぼり、ラップで包みます。
- 500~600Wの電子レンジで1分~2分程度温めます。
- 温めたタオルを、ラップをつけたまま、乾いた布で巻いてできあがり。
疲れ目軽減で目を温める場合は、約10分温めることで、目の見え方を調整する毛様体筋のこりがほぐれ、目のピント調節力が改善され、疲れ目も緩和されます。