小中学生は、学年上がるほど近視が進み「眼軸長」も長くなる。
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1. なぜ近視になると「眼軸長」が延びるのか?
2. 中学3年生の視力0.3未満の割合は、男子25%、女子35%!
3. 眼軸の長さを延ばさないための対策は。
4. 超簡単、視力低下を防ぐ超音波治療器。
なぜ近視になると「眼軸長」が延びるのか?
文部科学省は2022年6月23日、2021年度に初めて行った「児童生徒の近視実態調査」の結果を発表しています。長いほど近視の度合いが強いとされる目の角膜から網膜までの「眼軸長」を測定したところ、学年が上がるにつれて長くなっていました。裸眼視力も進級に伴い低下していて、女子の方がより顕著でした。ただ、学校での検査のため厳密な診断ができず、正確な近視の割合は不明としています。
調査は全国26校の小中学生約7,400人を対象に、2021年4~12月に実施。眼軸の長さは成人の平均で24ミリ前後とされていますが、調査の結果、
●小学1年生の平均では
男子が22.96ミリ、・女子が22.35ミリ
●小学6年生の平均では
男子が24.22ミリ、・女子が23.75ミリと大人と同じ程度に達し、
●中学3年生では、
男子が24.61ミリ、・女子が24.18ミリとさらに長くなっていました。
人間の目は、水晶体の厚さを「毛様体筋」が緊張したり、ゆるくなったりすることで、ピントを調節します。パソコンやタブレット、スマホなどの利用で、手元にピントを合わせた状態が毎日のように長く続くと、眼球自体が変形し、前後に伸びてしまいます。極端にいうと、まるでラグビーボールのように楕円形になってしまうのです。元々丸かった眼球が、変形してラグビーボールのような形になることで、遠くを見た場合、網膜の手前で焦点が合っている状態になります、これが近視(軸性近視)です。
前記の数字を見ると、小学校高学年の時点で大人の平均に達していて、早い年齢で近視化が進行していることがわかります。眼軸の長さは体の成長にあわせてさらに延びる危険性もあると考えられます。コロナ禍でスマートフォンやタブレット端末を見る機会が増えており、その影響は無視できません。
中学3年生の視力0.3未満の割合は、男子25%、女子35%!
裸眼視力が1.0以上の割合は小1で約8割ですが、中3では約4割まで増加。
裸眼視力0.3未満の割合は、男子が小1で1.00%、女子1.67%でしたが、小6では男子19.16%、女子22.99%と2割を占めています。中3では男子25.52%、女子35.61%とそれぞれ増加しています。それだけにメガネやコンタクトの装着率は、中3で男子4割、女子5割という驚きの結果が出ています。
文部科学省は、小中学生に1人1台の情報端末を配備する「GIGAスクール構想」による視力への影響に関心が高まっていることなどから、今回の調査となったようです。2022、23年度に追跡調査して影響の有無を確認する方針です。
眼軸の長さを延ばさないための対策は。
文部科学省では端末利用に当たっての児童生徒の健康への配慮等に関する啓発リーフレットを作成しています。
これ以外にオススメしたい超簡単な視力低下予防の方法があリます。アメリカなど英語圏を中心に浸透している「the 20/20/20 rule」です。
この「20-20-20ルール」は、パソコンやタブレット端末、スマホなどのデジタル画面を20分見たら、20秒間20フィート(6メートル)以上離れたものをみて休憩する、というもの。20秒の休憩中に窓の外を見ましょう。これにより視力低下や眼精疲労などを防げるといいます。
大人も子どもも、パソコン、スマートフォンなどのデジタル機器を、職場や学校・家庭・遊びなどのシーンで普通に使っています。今、私たちの「目」を取り巻く社会環境は最悪です。それだけに、私たち一人ひとりがいかに視力低下を防ぐかを真剣に考えないといけない時代になっているのです。