視力が落ちたと感じてすぐメガネを作ろうとしていませんか?実は「仮性近視」や「目のコリ」であれば、トレーニングで改善する可能性があります。
多くの人が陥りがちな「思い込み」
- 「視力低下=眼球の異常」と決めつける
- 「視力を回復する方法なんてない」と諦めて何もしない
- 「見えないからとりあえずメガネ」と安易に対処する
「最近、遠くの文字がぼやける…そろそろメガネが必要かな?」
視力の低下を感じたとき、多くの人はすぐにメガネやコンタクトレンズを作ろうと考えます。
しかし、少し待ってください。
もしあなたの視力低下の原因が、一時的な「目の筋肉のコリ(仮性近視)」によるものだとしたら、いきなりメガネを作ることで、本来なら回復できたはずの視力を固定化させてしまう(本当の近視にしてしまう)可能性があるのです。
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この記事では、メガネを作る前に試してほしい「1日5分の視力回復トレーニング」と、視覚機能の専門家である早稲田大学名誉教授の解説を交え、科学的な視点から「目のコリ」をほぐすアプローチをご紹介します。
その視力低下、まだ「戻る」可能性があります
「一度悪くなった視力は、二度と元には戻らない」
これまで、目の常識としてそう言われてきました。確かに、眼球の形が変わってしまった場合(軸性近視)、完全に元に戻すことは現代医学でも困難です。
しかし、デジタルデバイスの普及が進む現代において急増しているのは、近くを見すぎてピント調節筋が固まっているだけの「戻る可能性のある近視(調節緊張)」であるケースが非常に多いのです。
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このような思い込みにとらわれていると、適切なケア(トレーニング)をする機会を逃し、せっかくの効果も出にくくなってしまいます。
視力回復とは、単なる魔法ではありません。目の仕組みを正しく理解し、凝り固まった筋肉を「リラックス」させるための、理にかなったメンテナンスなのです。
それでは、まず「視力回復とは具体的に何をするのか」を見ていきましょう。
今すぐ実践!視力回復のための3つの簡単トレーニング
学校でも実践されているのが「まばたき体操」や「目のぐるぐる体操」です。さらに有名人や一般の方でも、よく実践されているのが「遠近トレーニング」。やり方は人それぞれ少しずつ違いますが、そんなに差異はありません。1日5分から10分。毎日、習慣化することが大切です。
1. まばたき体操・親指追いかけ体操
目の体操などによって血行を促し筋肉疲労を解きほぐすことができます。

●まばたき体操・親指追いかけ体操・目のぐるぐる体操は簡単。目が疲れた時などに行ないましょう。
2. 毛様体筋をほぐす「遠近トレーニング」
ベランダから見える遠景と、手のひらのシワを交互に見るトレーニングです。まず、遠くの景色に目標を定め、10秒間見続けます。目標はビルの看板や街路樹、山並みなどなんでもOKです。次に、視線を自分の手のひらに移し、手のひらのシワを見続けます。これを1セットとして、10回繰り返します。
余裕のある時間帯に行ないます。毎日継続することが大切です。
※1日に最低でも5分以上、遠くを見るだけの人もいます。昼間は遠くにある緑を、夜はできるだけ輝いている星を見ます。

3. 血流を改善する「ホット・アイパック」

ホット・アイパックによって眼球の周辺筋肉と眼筋が緩みます。
手軽な方法として、入浴時、タオルを湯に浸して絞り、天井に向けた目に載せて、閉じたまぶたの上から5分ほど、温めるとよいでしょう。
入浴時以外では、ホットタオルがオススメ。目の上にのせるだけで、簡単にケアができます。
ホットタオルの作り方
1. タオルを水で濡らして軽くしぼり、ラップで包みます。
2. 500~600Wの電子レンジで1分~2分程度温めます。
3. 温めたタオルを、ラップをつけたまま、乾いた布で巻いてできあがり。
4. 部屋を暗くしてテレビやDVDを見る。
約5分温めることで、目の見え方を調整する毛様体筋のこりがほぐれ、目のピント調節力が改善され、疲れ目も緩和されます。
アイス・アイパックは、タオルを冷たい水につけてから絞り、やはり約5分間、目の上にのせます。疲れた目に、冷たい刺激が心地よく、充血もグンと楽になります。
※目がひどく充血している場合は、ホット・アイパックはやめて、アイス・パックだけにしましょう。
なぜ視力は低下するのか?その原因と対策
視力回復とは、単に視力を数値的に戻すだけでなく、目の本来の機能を取り戻すための取り組みです。
眼球の形状が変化してしまった場合(軸性近視)の完全回復は現代医学でも困難とされていますが、筋肉のコリが原因である場合(仮性近視)や、生活習慣の改善によって、視機能の維持・向上が期待できるケースは少なくありません。
現代社会における視力低下の主な要因は以下の通りです。
デジタル機器の長時間使用による影響:
- ブルーライトによる網膜への負担増加
- 長時間の近距離作業によるピント調節機能(毛様体筋)のコリ
- 瞬きの減少によるドライアイの増加
環境要因:
- 屋内活動の増加による自然光不足
- 不適切な照明環境での作業
- 空調による目の乾燥
遺伝的・加齢的要因:
- 老眼や近視の遺伝的素因
- 加齢による水晶体の硬化
- 網膜機能の経年的な低下
近視は進行を抑え、仮性近視であれば回復の可能性があります
人間はつい楽な方へと流されがちです。「見えにくくなったから、とりあえずメガネを作ろう」と考えるのは簡単ですが、一度立ち止まって考えてみましょう。
もし、その視力低下の原因が一時的な「目の筋肉のコリ(仮性近視)」だった場合、すぐにメガネに頼ってしまうと、本来なら回復できたかもしれない「自力でピントを合わせる力」を使う機会を失ってしまうことにもなりかねません。
まずは原因を知り、生活環境を見直すことで、視力低下の進行を食い止められる可能性があるのです。
目の「緊張」と「リラックス」のバランスをとる
視力ケアのキーワードは、「緊張」と「リラックス」のバランスです。目を使ったら、その分休ませるという切り替えが重要です。
現代人は、テレビ、パソコン、スマートフォンなど、近くを見る時間が圧倒的に長く、目の筋肉(毛様体筋)が常に緊張して「こむら返り」のような状態になっています。
酷使した目を休ませないまま使い続けると、筋肉が硬直し、ピント調節機能が低下してしまいます。これが視力低下の大きな一因です。
老眼も「目のコリ」と無関係ではありません
「老眼は加齢現象だから仕方がない」と諦めていませんか?
確かに加齢による水晶体の硬化は避けられませんが、「目の酷使」や「血流不足」が、老眼の症状を早めたり重くしたりしている側面があります。
目を酷使して筋肉が硬くなると、血流が悪化し、目への酸素や栄養の供給が滞ります。
加齢自体は止められなくても、血流を改善し、筋肉の柔軟性を保つことで、目のエイジングケア(老化を緩やかにすること)は可能なのです。
目を悪くする習慣をやめよう
近視や老眼の進行を抑え、眼精疲労を和らげるための第一歩は、目を悪くする習慣を断つことです。
《避けるべきNG習慣》
- 1時間以上連続して画面を見続ける(休憩をとらない)。
- 寝る直前までスマートフォンを操作する。
- 暗い部屋で明るい画面を見る(明度差による負担)。
- 画面との距離が近すぎる(30cm以内)。
「距離」「明るさ」「姿勢」「時間」。この4つを意識するだけで、あなたの目にかかる負担は劇的に変わります。
視力回復のチャンスを逃さない!メガネ・コンタクトの正しい付き合い方
メガネやコンタクトレンズの「過信」は負担になることも
メガネやコンタクトレンズは素晴らしい視力補正器具ですが、「治療器具」ではありません。
「よく見えるようになった」と感じても、それはレンズの力でピントを合わせているだけであり、近視そのものが治ったわけではないのです。
注意が必要なのは、「遠くがよく見える強い度数のメガネ」をかけたまま、近くのスマホやPCを見続けることです。
これは、目の筋肉にさらなる負荷をかけ、近視の進行を早める悪循環(近視のスパイラル)招く原因の一つと言われています。
メリハリが大切!メガネは「必要な時」に賢く使う

目の負担を減らすためには、「シーンに合わせて使い分ける」ことが推奨されます。
- 仕事や運転時:適切な度数のメガネ・コンタクトを使用する。
- 自宅やリラックス時:裸眼で過ごす、または度数の弱いメガネを使用する。
安全な環境で裸眼の時間を設けることは、目の開放感につながります。
ただし、無理をして目を細めて見ようとすると逆効果(眼精疲労の原因)になります。「見えにくい時は無理せずメガネを使う」「リラックスできる時は外す」というメリハリが、5年後、10年後の目の健康を守ります。
根本から目を良くする生活習慣
パソコンやスマホを長時間見続ける人へ

光を発する画面を近距離で見つめる時間が長いほど、眼球を取り巻く筋肉は緊張し続けます。
この緊張状態(ピント固定)が続くと、目の血流が悪化して酸素や栄養が不足し、疲労物質が蓄積されます。これが、ピント調節を行う「毛様体筋」が凝り固まってしまう主な原因です。
このメカニズムを断ち切る対策は、「こまめにピントをずらすこと」です。
眼科医などの専門家が推奨する「20-20-20ルール」をご存知でしょうか。
「20分おきに、20フィート(約6メートル)先を、20秒間見る」という世界的なアイケアの基準です。
1時間作業して10分休むのが理想ですが、仕事中は難しい場合もあるでしょう。その場合は、このルールを取り入れ、ふとした瞬間に視線を窓の外や遠くに向けるだけでも、筋肉のロック(緊張)を解除する効果があります。
休日は「デジタルデトックス」で遠くを見る
平日に酷使した目を癒やすには、物理的に画面から離れることが最も効果的です。
土日はなるべくパソコンやスマートフォンから離れ、公園や開けた場所へ出かけてみましょう。
なぜ「緑」が良いと言われるのでしょうか?
それは、緑色が光の波長の中で目に最も負担をかけない色であり、リラックス効果があるからです。また、遠くの景色を見ることで、近くを見るために縮んでいた筋肉が伸びやかになり、本来の柔軟性を取り戻そうとします。
特別なことをする必要はありません。ただ散歩をして、看板や文字ではなく、遠くの稜線や木々の緑をぼんやりと眺める。これだけで立派な「目のトレーニング」になります。
「週末の寝だめ」や「長時間の運転」に注意

平日の疲れを取ろうとして、週末に昼まで寝ていたり、逆にリフレッシュのために長時間のドライブや夜更かしをしていませんか?
「寝だめ」は体内時計を狂わせ、自律神経の乱れ(=目の調整機能の低下)を招く原因になります。
また、運転は「遠くを見ている」ようでいて、実は常に緊張状態で一点を注視し続ける行為です。特に夜間や長距離の運転は、デスクワーク以上に目に負担をかけることがあります。
読書や映画鑑賞も素晴らしい趣味ですが、「目の休息」という観点では、平日と同様に近距離作業であることを忘れてはいけません。
《週末に避けたい3つのNG習慣》
- 休憩なしの連続作業(ゲーム・動画視聴など)
- リズムを崩すほどの寝不足・寝だめ
- 休憩をとらない長時間の運転
これらの習慣が続くと、一週間の目の疲れがリセットされず、視力低下を加速させてしまいます。週末こそ、意識的に「目を休める時間」をスケジュールに入れましょう。
目を守るためにできること:まとめ
- 「20-20-20ルール」を取り入れる(20分ごとに20秒、遠くを見る)
- 遠くを見る習慣をつける(遠近トレーニングやまばたき体操)
- 目の血流を促進する(ホットタオルで目を温める)
- 超音波治療器を活用する(目の深部まで届くマイクロマッサージで、眼精疲労をリセット)
無理をせず、日々の生活の中で簡単に取り入れられるケアを実践することで、目の健康を守り、クリアな視界を維持していきましょう!
どうしても疲れが取れない場合のケア
手軽に目の血流改善ができる超音波治療器アを利用する

視力ケアセンターの視力回復法について詳細な情報は、以下のページをご覧ください。
早稲田大学名誉教授が解説する「視力と超音波」の科学的根拠
視力回復の鍵となる「目の緊張緩和」と「血流改善」。なぜ超音波治療器(アイパワー)が有効なのか、生物物理学の権威である浅井博先生(早稲田大学名誉教授・理学博士)に、科学的な視点から解説していただきました。
この記事は医学的な診断や治療に代わるものではありません。目の症状でお悩みの方は必ず専門の医療機関を受診してください。
近視は「不健康なホメオスタシス(恒常性)」の状態
「私たちの体には、環境が変わっても一定の状態を保とうとする働き『ホメオスタシス(恒常性)』があります。体温が一定に保たれるのもこの働きです。 しかし、パソコンやスマホで目を酷使し続けると、目の筋肉が凝り固まり、血流が悪い状態が『当たり前』になってしまいます。これが近視という名の『不健康なホメオスタシス』が定着してしまった状態です。視力を回復させるには、この悪い安定状態を打破し、本来の健康な状態へ引き戻す必要があります。」
微弱な刺激で目を覚ます「ホルミシス効果」
そこで重要になるのが「ホルミシス」という作用です。これは、過剰だと有害な刺激でも、微量であれば細胞を活性化させ、有益な効果をもたらす現象のこと。温泉の微量なラジウムなどが良い例です。
「超音波も同様です。強力なものは破壊作用を持ちますが、治療器のような微弱な超音波は、目の細胞にとって有益な刺激(ホルミシス)となります。 超音波治療器『アイパワー』は、この原理を応用しています。凝り固まった目の細胞に微弱な超音波振動を与えることで、血流を促し、細胞を活性化させる。つまり、不健康な状態で安定してしまった目に『良い刺激』を与え、健康な状態へと導くスイッチを押してくれるのです。」

プロフィール:
浅井 博(あさい ひろし)先生 早稲田大学名誉教授(物理学科)。理学博士。 専門は細胞生物物理学。米国カリフォルニア大学医学部心臓血管研究所の上級生物物理学研究員などを経て現職。2014年秋、瑞宝中綬章を受章。


