子どもの目を守る照明術
視力は小学生低学年でほぼ決まります。逆にいうと、この時期に視環境が悪いと、視力が簡単に落ちてしまうことになります。正しい光環境で視力低下の予防を心がけてあげましょう。そこで、勉強に集中できる視環境について、6つのポイントを紹介します。
Point 01:正しい距離を保つことが目の疲れを防ぐ!
本からの目の距離は30センチ以上、パソコンは画面から50センチ以上(大人は40センチ)、液晶テレビは画面の高さの約3倍の距離から見るのが理想です。
子どもは夢中になると、画面に近づいたり、まばたきせずにテレビか本に集中しがちです。
ときどき大人が距離のチェックや、まばたきをするように促してください。
液晶テレビの最適な視聴距離のめやすは、「画面の高さの約3倍」
例えば、52V型の液晶テレビの場合、最適な視聴距離は約1.9m(画面の高さ、約65cmの約3倍)となります。従来のブラウン管テレビの視聴距離は、画面の高さの約5~7倍の距離が必要でしたが、液晶テレビでは、高精細な映像のため、近くで視聴してもよく、ブラウン管より短い視聴距離でも、充分なのです。
意識して「まばたき」することが大切!
まばたきの回数は、通常なら1分間に平均21回。3秒に一度はまばたきしている計算です。これが、パソコンでは10秒に1回、コンピュータゲームなどをしていると12秒に1回に減ります。まばたき1回は、目薬の点眼・1滴分の効果があるといわれています。それだけに、意識して瞬きをすることが大切なのです。
Point 02:机について勉強するときの理想の照明は?
勉強の集中力を上げるために、部屋の照明を消し、電気スタンドの光だけで勉強させている家庭がありますが、これは視力を落とす原因になります。明るい手元と、暗い部屋の両方に目が不要な調整を繰り返してしまうため、目を疲れさせることになるのです。
部屋の照明と手元を照らす電気スタンドの明るさですが、その差を3分の1以下にすることがポイント。どちらかが明るすぎたり、暗すぎたりするのはよくありません。部屋も手元も明るいなかで勉強するのが、目に優しく集中しやすい環境なのです。
Point 03:電気スタンドの位置、角度にも注意を!
読み書きするときに、電気スタンドの光で手元に影ができないように、位置や角度にも注意しましょう。利き手の反対側に電気スタンドを置いておけば、影が出にくくなります。姿勢によっても影の出る位置が変わりますから、電気スタンドは光の角度が変えやすいものを選びましょう。
Point 04:照明の照り返しと、顔への反射にも注意しょう。
机についているとき、気がつきにくいのが、教科書やノート、パソコン画面の照り返しです。この反射光は、目を痛めるだけでなく、集中力の妨げにもなります。もちろん、スタンドの光が直接、顔にあたってる場合も同様です。光の照り返しがないか、顔に光があたっていないか、親が注意してあげましょう。
Point 05:勉強中は、1時間に1度は目を休ませる。
1時間の勉強で10~15分の休憩が基本です。休憩時には、5mくらい先に目標物を決めて、それを3分くらいじっと見続けると、疲れていた目がリラックスします。また、別の部屋で過ごすなど、部屋の光が変わった場所で過ごすのも集中力アップの秘訣です。
Point 06:子どもが集中して学習する最適な環境はリビング?
移動が簡単な電気スタンドが1台あれば、どこでも目にやさしい視環境がつくれます。
話題のリビング学習。そのよさは
- 親子の連携学習がしやすい
- ソフトな緊張感で勉強ができる
- 夢中になると、崩れがちな子どもの姿勢や光環境を親が修正しやすい
- 適度な雑音で集中できる
などがあるそうです。しかし、「リビングでも勉強しない」という人も少なくありません。でもそれは、親が「見張り」をしているからだそうです。それを避けるには、お子さんの正面に座らないことが鉄則といいます。お母さんは斜め後ろから見守るようなポジションで、本を読んだり、夕食の下ごしらえをしながら「何か困ったときに声をかけられる存在」に徹することです。
このリビング学習のときも、部屋の照明だけでなく、手元を照らすスタンドを用意しましょう。移動が簡単にできる電気スタンドであれば、子供部屋からリビングへと1台をさまざまな場所で活用できます。