風邪を予防する3つの対策を紹介。
万病の元になる風邪
風邪はこじらせると、これほどやっかいな病気もない。ほとんどの人が無縁では過ごせない病気だからこそ、常日頃の予防と、ひいた時点で潔い休養で、万病の元にならないうちの、早め早めの対応を心がけたいものです。
ある一定の条件が揃うと風邪をひく!!
風邪の複合的要因
ウィルスによる風邪の最も古い記録は紀元前412年。ヒポクラテスが残した記録の中に記されています。日本では平安時代の書物や日記の中に、「咳病」あるいは「シハブキヤミ」と、風邪の症状が記されています。
その後1933年にインフルエンザウィルスが発見されて以来、インフルエンザは人類にとって周期的な大流行を繰り返してきているのです。
命取りの病気でないので、「また風邪か」などとつい軽く見がちですが、発熱頭痛、鼻づまり、鼻水、悪寒、だるさ、喉の痛み、筋肉痛、関節痛、寒気など、自覚症状は重病並み。これほど一時に多くの症状を引き起こす嫌な病気はあまりありません。しかし、古くから人類を悩ませ続けているのに、いまだに決定的な治療法は見つかっていません。
風邪は、主にウイルスによって起こる疾患であるのは周知の事実。このウィルスは、寒気と乾燥を好むのです。12月から2月にかけての冬場に風邪が猛威をふるうのはこのため。ところが、風邪をひきやすい人とひきにくい人がいるのもまた事実です。
ということは、風邪をひくには、ある一定の条件があるのです。まず体のコンディションが悪く、体力、抵抗力が低下している場合。例えば、暴飲暴食や寝不足、過労、栄養のアンバランスがある時は要注意。さらに、寒いところに長時間いたり、湯上がりに薄着で湯冷めしたり、酒を飲んで駅のホームでうたた寝したりする悪習慣がウイルスを呼び込む下地になるのです。
つまり風邪は、ウィルス、体力低下の悪状況、寒気にさらされる悪環境の三拍子がそろった時に、待っていましたとばかりに襲いかかってくるのです。
とくに高齢者や、慢性疾患のある人、乳幼児は、風邪によって余病が併発する危険性が高く、重大な結果を招くこともあります。風邪による合併症には、肺炎や心不全、ライエル症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群などがあります。また、糖尿病や肝炎、腎炎などの病気も風邪によって症状の悪化がおこる場合があります。昔からいわれる「風邪は万病のもと」とは、そうしたことを指しているのでしょう。
風邪予防の3つの対策__人混みを避ける、冷えや乾燥を防ぐ。
風邪を予防するには、3つの柱に沿った対策があります。
はじめに、風邪のウイルスを近寄らせないこと。人が多く集まる所では、なかには風邪をひいている方もいるわけですから、ウイルスに接触する機会が多くなります。ですから、できるだけ感染の機会を低くするために、人混みを避け、またそのような場所から帰ったら、手洗い、うがいなどを励行する事は、風邪の予防に効果的です。
次に、「冷え」や「乾燥」を防ぐことも重要です。冬の季節、冷えてきたと感じたら、早めに防寒対策を。寒いところでは、鼻・のど・気管などの血管が収縮して線毛の動きが鈍くなります。線毛はウイルスや細菌の侵入を少なくする働きをしますので、働きが悪くなるとウイルスが侵入しやすくなります。それだけに、保温は予防に十分価値があるといえます。「保温」では乾燥を防ぎ室温を18〜20℃に保つ工夫が必要です。
また乾燥するとウイルスが繁殖しやすくなるので、部屋の湿度は60%前後に保ちましょう。
そして、風邪症候群を起こすウイルスに直接効く薬はありませんので、日ごろから「免疫力を高める生活」を心がけること。
- 睡眠を十分にとる
- 栄養バランスのとれた食事
- ストレスをためこまない
- 適度な運動で体力をつけ、同時にストレスを解消
といったことを実践しましょう。風邪をひかない生活こそが、健康の秘訣かも。