サッカーや野球をがんばる小学生の保護者から、よく聞くのが「最近、目が悪いと言い出した」「ボールが見えにくい気がする」という声。スポーツは動体視力のトレーニングにもなりますが、日常生活で“近くを見る時間”が増えると、目は疲れやすく、視力低下が進みやすい環境になりがちです。
ここでは、**目が悪い小学生(視力0.7前後を含む)**でも競技を安全に楽しむために、家庭で整えたい習慣をまとめます。
スポーツをしていても視力は落ちる?ポイントは「生活環境」
視力低下は遺伝だけで決まるというより、環境の影響が大きいと考えられています。特に、スマホ・ゲーム・勉強などで近くを見続ける時間が長いと、ピント調節に関わる筋肉が緊張し続け、目が疲れやすくなります。
だからこそ、サッカー(野球)をしている小学生でも、普段の生活が“目に厳しい”状態だと、視力が落ちていくことは珍しくありません。
サッカー(野球)で「目が悪い」が出やすいサイン
こんな様子があれば、まずは気づいてあげるのが大切です。
- ボールの落下点に入りづらい/反応が遅い
- パス相手や守備の位置取りが遅れる(周辺が見えていない感じ)
- まぶしがる・目を細める・片目をつぶる
- 目がしょぼしょぼする、目の奥が痛い、かすむ
- 試合後に頭痛や首・肩こりを訴える
※競技力の問題に見えて、実は「見えにくさ」「疲れ目」が原因のこともあります。
まず整えたい:勉強・ゲーム・スマホの“目にやさしいルール”
スポーツを続けるなら、練習量より先に目の負担を増やさない環境を整えるのが近道です。
勉強の姿勢・距離・休憩
- 背筋を伸ばす
- 目と本(タブレット)は30cm以上離す
- 1時間ごとに10分は目を休める
- 寝転んで読まない
- 部屋の明るさは明るすぎず暗すぎず
テレビ・ゲーム・スマホの距離と時間
- テレビは画面の高さの約3倍離れる(目安)
- ゲームは最低1m、携帯機・スマホは30cm以上離す
- 30分続けたら5分、遠くを見る
- だらだら長時間を避け、家族で時間ルールを決める
「禁止」より「見方を変える」ほうが、継続しやすく、結果的に目の負担を減らせます。
スポーツっ子こそ効く:今日からできる“遠くを見る習慣”
小学生の生活は、学校・宿題・動画などで近くを見る時間が多め。そこで意識したいのが、遠くを見ることでピント調節の緊張をほどくことです。
おすすめ:1日3回の“遠くタイム”
- 朝:登校前に窓から遠くの建物や山を見る(30秒〜1分)
- 夕:宿題の前後に遠くを見る(1分)
- 夜:お風呂上がりに遠くを見る(30秒)
「短くても毎日」が勝ちです。
目の遠近トレーニング(かんたん版)
目を閉じて休むだけでも良いのですが、遠くを見ると回復が早まることがあります。さらに一歩進めて、遠近トレーニングを“遊び”として取り入れましょう。
やり方(目安3〜4セット)
- 遠くの一点(できれば数十m先)を決める
- 腕を伸ばして親指を立て、親指の爪を1分見る
- 遠くの一点を2分見る
- ①〜③を繰り返す
※痛みが出る、気分が悪い、既に眼科で制限がある場合は無理に行わず中止してください。

試合後・練習後に:疲れ目の“回復セット”
スポーツの疲れにストレッチがあるように、目にも回復の習慣を。
1)睡眠(最重要)
睡眠不足は、目の緊張をほぐせないまま翌日も酷使する悪循環になりがち。まずは就寝時刻の固定が効果的です。
2)まばたき(意外と効く)
集中していると、まばたきが減りがち。
試合の移動中や休憩中に「10回まばたき」を合図にすると、乾燥・緊張対策になります。
3)目の体操(眼球を動かす)
顔は動かさず、視線だけで
右↔左、上↔下/時計回り2周/反時計回り2周
※やりすぎず、気持ち良い範囲で。
サッカー(野球)での安全面:メガネ・ゴーグルは“恥ずかしい”より“守る”
目が悪い小学生が競技を続けるとき、視力そのもの以上に大事なのが安全です。
ボールが当たる競技では、通常のメガネがリスクになる場合もあるので、必要に応じて
- スポーツ用ゴーグル
- 競技に合った視力矯正(眼科・眼鏡店で相談)
を検討してください。プレーの質だけでなく、ケガ予防にもつながります。
なお、生活習慣の見直しとあわせて、「今の視力」がどこまで改善の余地があるのかを知っておくことも大切です。
当センターでは、目の使い方・ピント調節に着目した
視力ケアセンターの視力回復方法
をご案内しています。
最後に:まずは「見え方の確認」→「習慣づくり」
もし「黒板が見えにくい」「ボールが追いにくい」などが出ているなら、自己判断で我慢させず、眼科で見え方の状態を確認するのが安心です(視力0.7前後でも、生活や競技で困っているなら相談する価値があります)。
その上で、今回紹介した
- 近くを見続けない
- 遠くを見る習慣
- 睡眠と休息
- 目の体操・まばたき
- 画面との距離と時間ルール
を、家庭の“当たり前”にしていくのが、スポーツっ子の目を守る現実的な方法です。


