文部科学省では令和3年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」の結果を公表。
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1. 読売新聞が『児童「目がもうダメです」』という記事を掲載。
2. デジタル教科書のメリットとデメリット。
3. デジタル教科書の授業後、小中学生の2~4割が、「目」「首・肩」の疲れや痛みを実感!!
4. デジタル教科書による視力低下の予防策。
読売新聞が『児童「目がもうダメです」』という記事を掲載。
2022年4月20日、読売新聞の朝刊に『デジタル教科書を問う 児童「目がもうダメです」』という記事が掲載され、目を引きました。
パソコンやタブレットなどの学習用端末の長時間利用で、子どもたちの健康への影響が不安視されているという内容です。
東京の小学校で、総合学習の授業中、女子児童が「目がもうダメです」と訴えたというのです。大阪でも小学4年生の児童が、学校から支給された端末を持ち帰るようになって視力が大幅に低下した例なども紹介。
そこで、このコーナでも、デジタル教科書の現状などについて調べてみました。
今や小中学校では、パソコンやタブレットなどの学習用端末は1人1台の時代です。
「うちの小学4年生の娘もiPad (タブレット型コンピュータ)が学校から支給されている」という家庭は多いはず。
文部科学省の調査によると、2021年7月末時点で、小中学校の学習用端末の配備は全体の9割以上に達しているのです。
小学校の教科書が新しい内容になる2024年度にあわせ、文部科学省では、デジタル教科書の本格導入を目指しています。
デジタル教科書とは、子どもたちが学校の授業で使用できることを前提に、紙の教科書と同じ内容をタブレットやノートパソコンで表示できるよう電子化した教材のことです。
デジタル教科書の本格導入の実証事業として文部科学省では、タブレット端末をすでに導入している国公立・私立の小学校5、6年生と中学校、特別支援学校の児童生徒を対象に、2022年度からデジタル教科書を無料で配信する方針です。まずは、外国語(英語)を全対象者に配布。デジタル教科書や教材から流れる朗読音声を使うことの効果を検証するとしています。
さらに、外国語以外にどの教科を対象とするのか、紙の教科書と同様に無償化するのかなど、その判断を2022年度中に決める方針です。
2020年3月1日時点で、デジタル教科書の普及率は公立の小学校7.7%、中学校9.2%、高校5.2%と低く、活用の実践例が少ないことから、全国規模で実証的な研究を行いつつ検討するとしているのです。
数年後、すべて子どもたちは学習用端末で、デジタル教科書を使いながら授業に臨むようになるのです。まさにデジタル時代なのです。
デジタル教科書のメリットとデメリット。
デジタル教科書について考えられるメリットは、
●文章や写真の拡大表示ができる
画面に触れることで、文章や写真、図形などを容易に拡大表示することができます。
●音声や動画を通し、理解力が増す
英語の授業で、音声朗読機能を使用すると、学習時に正しい発音を繰り返し聴くことができ、言語を正確に理解することが可能です。また、動画の映像を通じてさらに理解を深めることもできます。
●教科書のカスタマイズ
ペン機能を通じて、画面上への書き込み、各色のマーカーによる強調、画像やリンク先の挿入が可能です。紙の教科書と違い、本文への書き込みがカンタンにでき、修正や削除なども繰り返し行えます。さらに、本文への書き込みを繰り返すことにより、児童・生徒自身が考えを形成することにも役立ちます。
いっぽうのデジタル教科書のデメリットは、
●体への悪影響の懸念
デジタル教科書を導入するにあたり、タブレット端末を生徒自身が使用することから、端末に集中してしまうといった懸念点もあります。画面に集中することによる目の疲れは大きな懸念材料の一つです。視力低下は、不安要素といえるでしょう。
●セキュリティ対策が不可欠
児童・生徒がタブレット端末を外出先で紛失した場合や、ハッキング被害を受けた場合については、その生徒の名前や成績、IDといった個人情報が漏えいするリスクがあります。
デジタル教科書の授業後、小中学生の2~4割が、「目」「首・肩」の疲れや痛みを実感!!
デジタル教科書で学習用端末を長時間利用するようになると、健康面への影響、とくに心配なのが視力低下です。
文部科学省は「令和3年 学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業の成果について」で、そのことに触れています。
2021年10月~2022年2月にデジタル教科書の使用状況や効果、課題などのアンケート調査を行い、小中学生約6万5,000人、教員約3万6,000人が回答。
調査によると、デジタル教科書や学習用端末を使った授業の後、小学生の低学年では、3割程度の児童が授業後に疲れや痛みを感じると回答しており、とくに「目」の疲れを訴える児童の割合が高くなっています。
小学生の中高学年と中学生では4割前後が、身体に疲れや痛みを感じると回答していて、とくに「目」「首・肩」の疲れや痛みを訴える児童の割合が高くなっています。また、昼間に眠く感じると回答している児童の割合も4割程度を占めているのです。
保護者を対象として実施したアンケート調査の結果では、保護者がデジタル教科書を不安に思う点として、「健康面への影響」が最も多く、過半数(55.9%)の保護者が不安に感じていることが分かっています。また、健康面の影響のなかでもとくに「視力が悪くならないか」(「健康面の影響」を選択した保護者の 96%が選択)に不安を感じています。
この結果、報告書では、「学習者用デジタル教科書を使用する際には、姿勢に関する指導を適切に行い、目と学習者用コンピュータの画面との距離を 30cm 程度以上離すよう指導すること」が必要としています。
▶︎令和3年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」成果報告書の詳細はこちらをクリック
⬆︎令和3年度「学習者用デジタル教科書の効果・影響等に関する実証研究事業」成果報告書は、総ページ数489ページもあるため、PDFは3つに分かれています。当サイトで紹介しているデータは、成果報告その2のPDFにあり、「健康面への影響」と題して390〜391ページ(PDFページとしては136ページになる)に掲載されています。
デジタル教科書による視力低下の予防策。
視力低下を防ぐために生活で気をつけないこととしては、
①パソコン・タブレットなどIT機器の使用は、長時間は避け、50分以内にする。
③IT機器は50cm以上離れてみる習慣をつける。
などが挙げられますが、子どもの場合、これらを習慣化させるのは難しいことです。
そこで注目されているのが超音波治療器です。
毎日のようにこの緊張が続くと、毛様体筋が凝り固まって緊張が解けなくなり、視力低下となるのです。
これには効果的な治療方法があります。疲労した毛様体筋は、手足の筋肉同様、毛様体筋の血流を増やし、たまった疲労代謝物質の乳酸を排除するればよいのです。
この血流を増やし毛様体筋の緊張緩和に役立つ機器こそが、超音波治療器です。
つまり、超音波治療器を使うことで目の血流がよくなるということです。細胞のはたらき(新陳代謝)をよくするためには、きれいな血液と順調な血流が必要です。つまり、血液の状態・流れをよくすることが、目の健康にはとても重要です。視力低下の予防のためにもオススメです。