『令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査結果』の詳細。子どものネット利用、スマホ普及で長時間化!
0歳〜9歳の低年齢層でも、ネットの利用時間は平均で2時間5分!! 2時間以上の割合は50%
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1. 0歳~満9歳までの子どもの74.9%がインターネットを利用。
2. 10歳から17歳の子どものインターネット利用時間は、平日1日あたり約4時間57分。
3. 高校生の43%が「目が悪くなった」と実感!……東京都教育庁・令和4年度の児童・生徒のインターネット利用状況調査
4. 学校や地域のスポーツクラブに加入させて、子どもの目を守る!
※2024年2月に、こども家庭庁の発表した内容に基づいてデータを更新しました。
0歳~満9歳までの子どもの74.9%がインターネットを利用。
世の中がデジタル化するにつれ、人の暮らしは楽になるいっぽう。それに相応するように、悲鳴を上げている人間の体の部位があります。目です。
大人は、オフィスで当然のようにパソコンを使い、通勤電車や帰宅後はスマホを見る…当然、誰もが目の疲れで悩んでいます。
大人だけの問題かと思ったら、幼児を含めた子ども達も同じ。勉強・学習にはタブレット端末を使用し、スマートフォンやiPadで子ども向けのYouTubeチャンネルを見る。LINEでスタンプを交えて友達と会話を楽しむ。携帯ゲーム機でゲームプレイを楽しむ…学校・家庭・遊びでも、画面を間近で見るものばかり使用しているのです。
子どもたちの目は、想像を超えて酷使されています。
こども家庭庁が令和6年2月に発表した令和5年度の『青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果』を見ると、その実態がはっきりします。
満10歳から満17歳の青少年(5,000人)を対象にした青少年調査と、0歳から満9歳の子どもと同居する保護者(3,000人)を調査対象にした低年齢層調査を行っています。とくに注目したいのが低年齢層調査の結果です。
インターネットを利用している0歳~満9歳までの子どもの割合は74.9%。10人中7人強がインターネットを利用しているのです。
そして、インターネットを利用している0歳~満9歳までの子どもの平均利用時間は、前年度と比べ約3分増加し、約2時間5分。2時間以上使用している割合は、なんと50%にもなります。
インターネットを利⽤している0歳~満9歳までの子どもたちの利⽤内容の内訳は、動画を見る93.6%、ゲームをする64.7%が上位。
なかでも驚いたのが、2歳の幼児でも、インターネットの利用時間が平均で106.8分。まさに『スマホ育児」です。
スマホ育児は、ちょっと前まで社会問題となっていましたが最近は話題にならず、それだけ浸透したということでしょうか?
※令和6年2月、こども家庭庁の令和5年度 「⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査」調査結果(速報)より
10歳から17歳の子どものインターネット利用時間は、平日1日あたり約4時間57分。
いっぽうの満10歳から満17歳の青少年調査では、98.7%が、インターネットを利用していると回答。
インターネットを3時間以上利用するとした小学生は57.3%、中学生は71.8%、高校生は81.4%に上っています。平均利用時間は296.9分。
インターネットを利用すると回答した青少年のうち、子供専用の機器を利用している割合が高いのは、スマートフォン91.9%と携帯電話 76.7%。
スマートフォンでは、学校種が上がると子ども専用の割合が高くなり、小学生(10歳以上)の70.4%、中学生の 93.0%、高校生の99.3%が子ども専用と回答しています。
その利用内容の内訳は、 高校生では動画を見る(95.8%)、音楽を聴く(93.2%)、検索する(91.0%)が上位。勉強をするは78.3%。
中学生では動画を見る(94.1%)、ゲームをする(87.5%)、検索する(85.5%)が上位。勉強をするは73.1%。
小学生(10歳以上)では動画を見る(90.5%)、ゲームをする(87.5%)が上位。勉強をするは67.3%。
学校から配布・指定されたパソコンやタブレット等(GIGA端末)は、勉強をする(80.7%)、検索する(62.9%)が上位。
インターネットを利用すると回答した青少年の平均利用時間は、前年度と比べ約16分増加し、約4時間57分。
⾼校⽣は、約6時間14分。
中学⽣は、約4時間42分。
⼩学⽣(10歳以上)は、約3時間46分。
⽬的ごとの平均利⽤時間は趣味・娯楽が最も多く、約2時間57分でした。
※令和6年2月、こども家庭庁発表の令和5年度 「⻘少年のインターネット利⽤環境実態調査」調査結果(速報)より
高校生の43%が「目が悪くなった」と実感!……東京都教育庁・令和4年度の児童・生徒のインターネット利用状況調査
インターネツトによる視力低下は、子どもたちも実感しています。
東京都教育庁が2023年6月に発表した令和4年度 「児童・生徒のインターネット利用状況調査」の調査報告書によると、インターネット使用で、高校生の42.6%が「目が悪くなった」と実感しているのです。小学生では17.0%、中学生では37.5%もの子どもたちが「目が悪くなった」と回答しています。視力に与える影響が大きいことがわかります。
高校生では「寝不足になった」と回答しているのが35.3%、「夜なかなか眠れなくなった」が16.6%もあり、寝不足による視力への影響、学力への悪影響も心配になります。
東京都教育庁の令和4年度「児童・生徒のインターネット利用状況調査」報告書より。子どもたちのインターネット利用による生活・健康への影響。
学校や地域のスポーツクラブに加入させて、子どもの目を守る!
実際、子どもたちの視力低下は深刻です。
文部科学省の「学校保健統計調査」によると、幼稚園児から 小・中学生、高校生まで、毎年のように裸眼視力が低下していて、「過去最悪」の新聞記事をよく見ます。
令和4年度(2022年度)の調査結果では、運転免許証取得時の「眼鏡等」の基準となる「裸眼視力 0.7 未満の者」の子どもの割合は、
小学生 25.89%
中学生 48.84%
高校生 60.17%
と視力低下が深刻です。文部科学省は「スマートフォンやデジタル端末を使う時間が増えたため」と分析。画面を近くで見る時間が増えるなど、生活習慣が影響しているとみられているのです。
悲鳴をあげる目に対して、子どもたちは、保護者は何か対策をしているのでしょうか?
●スマホや携帯の使用時間は、1日1時間以内にする。
●勉強中や睡眠中はスマホや携帯の電源をOFFにする。
●近視予防のために、1日2時間を目安に屋外で遊ばせる。
など、よくいわれることですが、子どもに実行させるのはなかなか難しいのも事実。
ひとつの提案として、スポーツ少年団などの地域のスポーツクラブに加入させたり、学校のサツカーや野球などの運動部クラブに入らせたりするのもいい方法です。
屋外で競技するスポーツがおすすめ。こうすれば、屋外で過ごす時間が増え、運動することで目のトレーニングにもなり、インターネット使用時間も当然、減ることになります。