~アムスラーチャートによるセルフチェック~
「もっと早く気づいていれば」
後悔しないためにも目の不調をチェックしよう。
目の病気は、種類によっては気づかずに悪化させてしまうことがあります。
とくに失明リスクがある目の病気は早期発見が大切です。緑内障、糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)などの疾患は、自覚症状が現れにくく、気づかずにいると失明のリスクがあります。だからこそ、チェックを怠らず早期発見に努めることが重要なのです。
そこで、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性の3つの目の重大な疾患に焦点を当て、それを発見するのに役立つ、「アムスラーチャート」と呼ばれる格子状の表を用いて確認する方法を紹介します。
格子状の表の見え方の変化を自分でチェックすることで、目に疾患があるかどうかを発見できます。
▶︎A4サイズのアムスラーチャートをダウンロードできます(123KB)
自己チェックは必ず「片目」ずつ行ってください。「アムスラーチャート」を壁に貼るなどして、必ず片方の目を隠して、30センチ離れて真ん中にある中心点を見ます。めがねやコンタクトレンズをしている場合は、装着したまま行います。
このような症状はありませんか?
「格子状の線がゆがんで見えていないか?」
「中心点ははっきり見えているか?」
「一番外側の四角が全部見えるか?」
「格子状の線が全部が完全に見えるか?欠けている部分はないか?」
「ぼやけて見づらい部分はないか」
などを片方ずつチェックします。
見え方に違和感があれば、早めに病院で検査を受けることをおすすめします。
目の病気別、アムスラーチャートの見え方例
緑内障
緑内障は失明原因の第1位となっている目の病気です。視神経に障害が起こり、悪化すれば失明に至ります。40歳以上で20人に1人、70歳以上では10人に1人がなるといわれています。
緑内障は、視力に問題がなくても、視野(見える範囲)が徐々に欠けてきます。片方の視野が欠けても、もう片方の目がカバーしてくれるため、初期の段階では気づきにくいのです。実際、9割の人が、初期段階では気づいていなかったというデータがあります。
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■マス目の一部が欠けたり、ぼやけたりして見える。
糖尿病網膜症(黄斑浮腫・おうはんふしゅ)
失明原因の第2位が糖尿病網膜症です。糖尿病の合併症のひとつで、糖尿病が発症してから5年以内に14%、15~19年で57%の人が糖尿病網膜症になるといわれています。
網膜は、血管がとても細いため、糖尿病による障害を受けやすく、出血を起こします。多少の出血だと、脳が視野を補ってくれるので気づきません。しかし、徐々に出血量が増え、黄斑部にむくみが生じ、急激に視力が低下します。
初期の段階では、食事療法や投薬で血糖値をコントロールすることを目指しますが、進行すると手術が必要になります。
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■真ん中あたりが歪んで見える。
加齢黄斑変性
失明原因の第4位が加齢黄斑変性です。主に加齢により、黄斑部が傷み、出血が起こる病気です。片方の目だけ進行することがあり、その場合、片方だけ失明するまで気づかなかったという例もあります。
初期段階なら、黄緑色野菜を接極的にとる食事療法などで改善が可能ですが、悪化すると注射やレーザー治療で進行を止めることになります。
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■初期段階ではマス目の線が歪んでみえ、症状が悪化すると歪みが大きくなり、欠けて見える部分が出てくる。