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目の構造と機能…目の仕組みを知って、目の病気を理解する

角膜の厚さはどれくらいあるか、知っていますか?

人間の目玉(眼球)の大きさはどれくらい?

眼球の大きさはどれくらい1円は直径20ミリ、100円は直径22.6ミリ、10円は直径23.5ミリ、500円は直径26.5ミリです。

目は人体で最も高度に進化した精密機械です。

その構造、各部位の働きを知れば知るほど、驚かされます。

まずは以外と知られていない眼球の大きさから質問です。

人間の目玉(眼球)の大きさはどれくらいか分かりますか?

目玉の横の直径は、五百円玉、十円玉、百円玉、一円玉のどれと同じでしょう?
「結構、大きそうだし、五百円玉だろ」

実は十円玉が正解です。

人間の目玉は平均で直径24ミリ、十円玉も23.5ミリで、硬貨の中では一番近い大きさです。卓球の硬式ボールの大きさは40ミリですから、目玉は硬式ボールの約半分の大きさなのです。

前後の長さ(奥行き)は、強い近視の人はより長くなり、強い遠視の人はより短くなります。

この目玉が頭蓋骨のくぼみ(眼窩=がんか)に入っているのです。

目玉、つまり眼球は、24ミリとはいえ小宇宙のようです。光を感じて受容する、眼球の底に張り付くようにある網膜を中心に、その網膜を栄養的に支える脈絡膜、眼球の外側の眼球壁となる白い強膜、光を網膜に導く最も外側にある透明な角膜、光を集光し網膜にピントを合わせる水晶体、その水晶体を吊り支える毛様体、眼球の中にゲル状に詰まっている同じく透明な硝子体、網膜からの神経線維を集めて眼球の外へ出て脳につながる視神経などにより形成されています。

角膜の厚さはどれくらいあると思いますか?

目の構造と機能…目の仕組みを知って、目の病気を理解する

国内でピーク時は年間45万件の手術が行われていた眼科手術レーシック。角膜屈折矯正手術の一種で、目の表面の角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜の曲率を変えることにより視力を矯正する手術です。レーシック手術ではまず、角膜の表面をスライスしてフラップと呼ばれるカバーのようなものを作ります。そのあと、フラップの下の角膜を削ることで屈折率を変化させるのです。で、質問ですが角膜の厚さはどれくらいあると思いますか。

1ミリ、それとも2ミリ? いやもっと厚い?

ちなみに1円玉、5円玉、10円玉の厚みは約1.5ミリです。

角膜の厚みは、日本人の平均で約0.52ミリなんですね。なんと1円玉の厚さの3分の1。1ミリの半分しかないのです。こんな薄い膜を削って屈折率を調整しているのです。まさに神業の世界です。

さらに次の質問です。目の水晶体の大きさ(直径)はどれくらいでしょうか?

カメラで例えるとレンズの働きをしている水晶体。眼球の大きさが23ミリだから、15ミリくらい? ちなみに、1円玉の大きさは20ミリです。

なんと、水晶体の大きさ(直径)は約9ミリです。厚みは、調節により異なりますが4~5ミリです。こんな小さなレンズを毛様体筋が伸びたり縮んだりして厚み調節していたんです。

目のことをよく知って、生活習慣を改めよう。

目という小さな器官が、計り知れない高度な働きをしています。大脳皮質の半分以上が「見る」という行為に使用され、目の中心で見える画像解析だけで脳全体の四分の一を使っているのです。それだけに、「働かせすぎ」「使いすぎ」で、気づかないうちに不調になり、近視や眼精疲労などのトラブルを起こしてしまうのです。そう、目は非常にデリケートな精密機器ともいえるのです。

「目に悪い」と思いながらも、生活習慣かを改められないのは、目のことをよく知らないからかもしれません。そこで、目の各部位がどんな働きをしているのか表としてまとめてみました。

眼球の断面図

角膜(かくまく) 黒目と虹彩の部分を覆っている膜です。成人では横径12mm、縦径11mm、厚さは0.5mmで、光を屈折して集めるために透明で湾曲しています。透明な角膜を通して瞳孔から目の奥に入った光は、中で吸収されて反射しないので、角膜の瞳孔部分が黒く見えます。外からくる光を屈折して集める働きと、強膜とつながって眼球の形を保つ働きを担っています。
虹彩(こうさい) 黒目の周囲にある茶色の部分で、茶目ともいいます。色素であるメラニンが含まれていて、日本人には一般にこの色素が多いので茶色になり、白人は少ないから青くなります。瞳孔を大きくしたり、小さくしたりして、通過する光の量を調節していて、カメラに例えると絞りに相当する働きをしています。
水晶体(すいしょうたい) 水晶体は直径約9mmの透明な円板状で、瞳孔の奥にあります。毛様体の伸縮によって厚みを変えることができるレンズで、遠近の調節を行っています。厚みは調節によって異なりますが4~5ミリです。また、目に有害な紫外線を吸収して、網膜を守る大切な働きをしています。その成分は、65パーセントが水分、残り35パーセントがタンパクです。
結膜(けつまく) 白目をおおう透明な粘膜で、強膜を守っています。結膜を角膜に移植すると角膜の役目をすることがわかっており、治療に利用されています。
毛様体(もうようたい) 虹彩のすぐ後ろに断面が三角形の毛様体があります。ピントを合わせる毛様体筋と水晶体をつなぐ毛様小帯(チン小帯)でできています。毛様体筋が伸びたり縮んだりする動きによって、毛様小帯が水晶体を厚くしたり薄くしたりします。
硝子体(しょうしたい) 水晶体の後方と網膜の間にあり、眼球容積の2/3を占めている部分で、無色透明の光の通り道です。硝子体液と呼ばれるゲル液が詰まっていて、眼球内の圧力(眼圧)を一定に保つとともに、網膜を傷つけないようにクッションの役割も果たしています。
網膜(もうまく) 目の一番奥にある膜です。ここには光や色を感知するための視細胞があって、さらに情報処理を行うための神経ネットワークが張り巡らされています。
黄斑部(おうはんぶ) 水晶体から入った光があたる網膜の中心部分です。
黄斑中心窩(おうはんちゅうしんか) 直径1.85ミリの黄斑部の中心部分です。私たちの視力を支えていて、焦点が1ミリでもこの部分から離れると、視力は0.1になります。
脈絡膜(みゃくらくまく) 毛様体に続いて眼球の後ろ半分を包んでいる膜で、網膜と強膜の間にはさまれています。血管がたくさんあり、眼球の膜に酸素や栄養を供給しています。
強膜(きょうまく) 角膜を除く眼球外膜のすべてを占めています。前方は結膜に覆われています。眼内圧(眼圧=内から押す力のこと)を支え、目の形を維持する働きを担っています。白目は強膜の一部です。
視神経乳頭(ししんけいにゅうとう) 網膜からの視神経をすべてここで束ねて、脳へ信号を送っている部分です。
前眼房・後眼房(ぜんがんぼう・こうがんぼう) 角膜と水晶体の間の空間は、虹彩を境として前眼房と後眼房に分かれており、液体(房水)で満たされています。房水は、毛様体でつくられ、後眼房へ分泌されて瞳孔を通って前眼房へ流れ、隅角から眼の外に出ます。房水は、水晶体と角膜に酸素と栄養を補給し、老廃物の運搬と眼球内の圧力を一定に保つ役割も担っています。
隅角(ぐうかく) 虹彩と角膜の空間。ここが狭くなったり閉塞したりすると、房水が排出されないので前眼房にたまり、眼圧を上昇させ、緑内障の原因になります。
シュレム管 角膜輪部に近い強膜内の前房に近い部位にある輪状の管で、房水の排出口です。

房水の流れイラスト

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