●若者たちのゲーム依存の実態が明らかに!!
10~29歳の18%が3時間以上、ゲームに費やしていた。
若者たちの「ゲーム依存」に関する初めての全国実態調査の結果が2019年11月27日に公表されました。
この調査は厚生労働省の事業の一環で行われ、2019年1~3月、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)が実施。全国約2,300万人の10~29歳から無作為に9,000人を選び、5,096人から回答があり、そのうち直近1年間でゲームをした4,438人に実情をたずねています。
ゲームの使用状況では過去12カ月間に、85.0%(男性 92.6%、女性 77.4%)がゲームをしていました。ゲームをする機器(複数選択可)は、男女とも「スマートフォン」(80.7%)が最も多く、次いで「据え置き型ゲーム」(48.3%)でした。主にオンラインでゲームをすると答えた割合は 48.1%と約半数にのぼっています。
平日における1日当たりのゲーム時間は、男女では、「1時間未満」が 40.1%、「1時間以上2時間未満」が 27.1%、「2時間以上3時間未満」が 14.6%、「3時間以上」が18.3%(うち「6時間以上」は 2.8%)でした。
10~29歳の人たちにとって、インターネットはスマートフォンで楽しむ時代になっている。
※厚生労働省・ネット使用と生活習慣に関する実態調査研究グループ発表の『ネット・ゲーム使用と生活習慣に関するアンケート調査結果』より
1日のゲーム時間が長い人ほど、学業成績や仕事にも悪影響が。
ゲームによる影響では、過去 12ヵ月間に、「ゲームを止めなければいけない時に、しばしばゲームを止められませんでしたか」という質問に「はい」と答えた割合は、ゲーム使用時間が「60 分未満」では 21.9%、「1時間以上2時間未満」では 28.5%、「2時間以上3時間未満」では 32.7%、「3時間以上4時間未満」では 34.7%、「4時間以上5時間未満」では 43.3%、「5時間以上6時間未満」では 37.4%、「6時間以上」では 45.5%で、ゲーム時間が長くなるにしたがって多くなる傾向がみられます。
「ゲームのために、学業に悪影響がでたり、仕事を危うくしたり失ったりしても、ゲームを続けましたか」という質問に「はい」と答えた割合は、「60 分未満」では 1.7%、「1時間以上2時間未満」では 5.8%、「2時間以上3時間未満」では 10.0%、「3時間以上4時間未満」では 12.4%、「4時間以上5時間未満」では 19.4%、「5時間以上6時間未満」では 22.0%、「6時間以上」では 24.8%でした。
「ゲームが腰痛、目の痛み、頭痛、関節や筋肉痛などといった体の問題を引き起こしていても、ゲームを続けましたか」という質問に「はい」と答えた割合は、「60 分未満」では 4.3%でしたがゲーム時間が長い人ほど増え「5時間以上6時間未満」では 25.2%、「6時間以上」では 40.5%となっています。
「ゲームにより、睡眠障害(朝起きれない、眠れないなど)や憂うつ、不安などといった心の問題が起きていても、ゲームを続けました」という質問に「はい」と答えた割合は、「60 分未満」では 2.4%でしたが、前記の質問同様、「5時間以上6時間未満」では 17.9%、「6時間以上」では 37.2%でした。
ゲームを始めると、体調不調になっても、やめられないという結果が出ているのです。しかも、1日のゲーム時間が長い人ほど、「学業成績の低下や仕事のパフォーマンスの低下」を実感されていて、ゲーム依存の怖さが現れています。
世界保健機関(WHO)は2019年5月、「ゲーム依存症」を精神疾患として位置づけていますが、治療のための指針はないのが実情です。
WHOによると、
(1)ゲームをする時間や頻度を自ら制御できない
(2)ゲームを最優先する
(3)問題が起きているのに続ける
――などといった状態が12カ月以上続き、社会生活に重大な支障が出ている場合にゲーム障害と診断される可能性があるとしています。
ゲーム障害になると、朝起きられない、物や人にあたるなどといった問題が現れるとされています。
成人者は自己責任としても、未成年者を「ゲーム依存症」にさせないためには、保護者が厳しく管理するしか方法がないのでしょうか。
※厚生労働省・ネット使用と生活習慣に関する実態調査研究グループ発表の『ネット・ゲーム使用と生活習慣に関するアンケート調査結果』より
※厚生労働省・ネット使用と生活習慣に関する実態調査研究グループ発表の『ネット・ゲーム使用と生活習慣に関するアンケート調査結果』より