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ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

ソフトコンタクトで失明!! 驚きの理由とは!

目に微生物“アカントアメーバ”が繁殖!!
ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

《ページ目次》下の項目をクリックするとジャンプします。
1. コンタクトの不適切な使い方による、目のトラブルが後を絶たない。
2. 眼球の最も外側にある角膜上皮が傷つくと、細菌やアメーバの侵入を守れない。
3. 角膜にアナがあく? 細菌性角膜炎とは。
4. 最近、急増しているアカントアメーバ角膜炎とは。
   ・角膜移植希望者数と移植実績数
5. アカントアメーバ角膜炎の発症の原因は、コンタクトをしたままのシャワーだった!
6. ソフトコンタクトレンズを着けたまま入浴しても大丈夫?

コンタクトの不適切な使い方による、目のトラブルが後を絶たない。

今ではすっかり一般的になったコンタクトレンズ。最近は、遠近両用タイプのものや、使い捨てのもの、おしゃれのためのカラーコンタクトレンズなども普及し、さらに幅広い世代の人々が使用。約2,000万人がコンタクトレンズを使っていると、されています。

そのいっぽうで、コンタクトレンズの不適切な使い方による目のトラブルが後を絶たない。コンタクトのトラブルは、日本では年間3〜5万人発症していると推計されているのです。

レンズの手入れが不十分だったり、レンズを長時間つけていたりして、目に障害が生じたり、なかには失明する人もいるのです。

ここでは、コンタクトレンズの不適切な使い方で起こる角膜感染症について解説します。

眼球の最も外側にある角膜上皮が傷つくと、細菌やアメーバの侵入を守れない。

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

角膜は、目の一番前面にある、透明な組織です。目の中に光を通すのと同時に、光の進行方向を変え、光を集める働きを担っています。
俗に「黒目」と呼ばれている角膜の厚さはどれくらいあると思いますか。
1ミリ、それとも2ミリ? いやもっと厚い?

ちなみに1円玉、5円玉、10円玉の厚みは約1.5ミリです。

実は、角膜の厚みは、日本人の平均で約0.52ミリです。なんと1円玉の厚さの3分の1。1ミリの半分しかないのです。
その角膜に病原性を持った微生物が付着して繁殖し、炎症を起こした状態を角膜感染症と呼びます。

角膜の表面は角膜上皮細胞という組織で覆われていて、微生物が簡単に進入できない構造で、さらに涙によって守られています。それだけに、ばい菌にふれただけでは角膜感染症になりません。ところが、何らかの原因で角膜上皮に傷ができると、微生物が付着し繁殖しやすくなります。

微生物として、細菌・真菌(病原性を有するカビ)・アカントアメーバなどがあり、それらが角膜感染症を引き起こすのです。

コンタクトレンズによる角膜感染症としては、細菌性角膜炎、アカントアメーバ角膜炎などがあります。角膜感染症になると、さまざまな症状が出ます。

  • 目の痛み
  • 目のゴロゴロ感
  • 白目が赤くなる
  • 涙がボロボロでる
  • まぶたがピクつき、腫れが生じる
    角膜が白くにごって視力が低下することも。

角膜にアナがあく? 細菌性角膜炎とは。

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

細菌性角膜炎は細菌が原因で起こる角膜感染症です。ゴミや砂などの異物が目に入ったり、コンタクトレンズ使用で角膜にキズがついたりしたときに起こります。

最近ではコンタクトレンズを装用する人の間で増えているのです。

コンタクトレンズを正しく取り扱っていない場合に、洗面所などにいる菌が目に持ち込まれて感染することも多くなっています。

強い目の痛みと大量の目やになどの自覚症状があります。また、角膜の一部が白く濁り、白目が強く充血します。

治療は抗菌薬を頻回に点眼し、重症な場合は抗菌薬の内服や点滴も併用します。
細菌の種類によっては病状の進行が非常に早いものもあって、放置すると、角膜がとけて孔(あな)が開くことも。治療によって細菌が除去できたとしても、角膜に濁りを残して視力が低下したままの場合もあります。

最近、急増しているアカントアメーバ角膜炎とは。

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

アカントアメーバ角膜炎は、アカントアメーバという目に見えない微生物によって起こる角膜炎です。最近数年間激増しています。
アカントアメーバは川や沼、土壌や公園の砂などに広く存在しています。洗面所など、水周りにもいることが多いようです。レンズやケースを水道水で洗った際などに付着し、目に入って角膜に炎症を起こすのです。

細菌性角膜炎と似た症状ですが、人によっては夜も寝られないほどの激しい痛みを感じることもあります。
アカントアメーバ角膜炎を発症した人のほとんどはソフトコンタクトレンズ使用者です。

毎日使い捨てにしなければならないレンズを再度装用してしまったり、再装用可能なレンズでもこすり洗いやすすぎなど、決められた取り扱いができていない場合がほとんどで、レンズに付着した汚れやゴミで、角膜の一番外側の層に傷がつくのです。そこにアカウントアメーバが入り込むと角膜炎を引き起こすことがあるのです。

アカントアメーバの特効薬はありません。

すこしでも効果のある抗真菌薬や消毒薬を点眼する、角膜の表面に付着したアメーバを医療器具で削ぎ取るなど、いろいろな治療法を併用しますが、きわめて治りにくいのが特徴です。
コンタクトレンズの不適切な使用が原因で結果的に重度の視覚障害に至る人は、国内で毎年数百人にのぼります。

洗浄が不十分、使用期限や装着時間を守らない、装着したまま眠る、検診を受けない……最初は注意していても、慣れとは恐ろしく、管理がおろそかになりがちです。

角膜の透明性が失われたり形が変化してしまい、それが回復しない場合には、角膜移植による治療が行われます。

厚生労働省が令和4年5月17日に公開した「臓器移植の実施状況等に関する報告書」によると、令和4年3月時点での角膜移植希望者数(移植を待つ人)は1,888人。これに対し、実際に角膜移植された人数は令和3年度で814人。コロナ禍の影響などにより約40%の人しか移植手術を受けられていないのです。

異物を目に入れることは危険を伴います。3ヵ月に1度は、眼科で検査を受けることが理想です。

・角膜移植希望者数と移植実績数

令和4年11月7日更新

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!
厚生労働省が令和4年5月17日に公開した「臓器移植の実施状況等に関する報告書」を基に作成。

アカントアメーバ角膜炎の発症の原因は、コンタクトをしたままのシャワーだった!

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

2019年、アメリカ合衆国の日刊タブロイド紙『New York Post』やイギリスの日刊タブロイド紙『The Sun』などの記事によると、イギリスの男性がコンタクトレンズを装着したままシャワーを浴びたことが原因で右目を失明したと伝えています。

ニック・ハンフリーズさん(29歳)は、コンタクトレンズが原因でアカントアメーバ角膜炎を発症し、右目を失明してしまったというのです。

ニックさんはコンタクトレンズを週に5日ほど装着し、それ以外は眼鏡。普段はコンタクトレンズを外して就寝し、朝起きた時に装着してスポーツジムで一汗流した後に会社へという生活を送っていました。
ジムではトレーニングを終えた後、コンタクトレンズを着けたままシャワーを浴びていたのです。

2018年1月、ニックさんは右目の眼球が傷ついていることに気づいた。コンタクトレンズを装着しているときに目をこすってしまったせいだと思っていた。ところが、1週間経っても状態がよくならない。

検眼士のところへ行くと、「目に潰瘍のようなものがある」と、すぐ病院へ行くようにといわれた。

診察を受けた結果、アカントアメーバ角膜炎の可能性があると診断され、1週間後の検査の結果、アカントアメーバ角膜炎という診断が下されてしまったのです。右目を失明し、現在は角膜移植手術を待っている状態。

ソフトコンタクトレンズを着けたまま入浴しても大丈夫?

ルーズなコンタクト使用で、目に微生物“アメーバ”が繁殖!!

風呂に入るとき、コンタクトレンズをしたままでも、「目が潤って良いんじゃないの」と考えていませんか?

ところが、コンタクトレンズを装着したままお風呂に入ったりシャワーを浴びたりすると、浴槽内の湯、床や壁に張り付いた汚れた水がコンタクトレンズに触れる機会が増え、細菌やアカントアメーバなどの微生物による角膜感染症のリスクが高まるのです。

しかも、お風呂では目が潤うどころか、逆に目は極度に乾燥してしまいます。目が乾燥すると、コンタクトレンズが目から外れてしまう、コンタクトレンズが目に張り付いてしまう、といった危険性が出てくるのです。

さらにコンタクトレンズをしたまま、頭髪や顔をシャンプーで洗うと、シャンプーが目に入って痒みや痛みを感じることに。目をこったりするとデリケートな角膜を傷つけてしまう恐れがあります。通常、角膜(黒目)の表面は涙や角膜上皮細胞という組織で覆われており、簡単には微生物が進入できないような構造になっています。角膜の表面が傷つくことで、その傷口から細菌やアカントアメーバなどの侵入を許してしまうことになるのです。

前述したように、角膜感染症のなかでも、「アカントアメーバ角膜炎」は治療が難しい目の病気のひとつ。最悪の場合、失明することがあります。
水道の水質などによりリスクの程度は異なりますが、入浴するときはコンタクトレンズを外すことが基本です。プールや海水浴でも同じです。

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